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ワンダー流変則左玉(12) [将棋(考察:変則左玉)]

 ワンダー流変則左玉に関する考察・第12回。
 この戦法を扱うのは随分と久しぶりです:)。今年1月に集中的にこの戦法を扱った際に、左玉型・地下鉄飛車型・逆棒銀型等のバリエーションを紹介しましたが、見直してみると全部が▲3八金型でした。この▲3八金は高田流左玉にも共通する手で、右辺(2筋)を守るために必要な手です。反面、右辺を攻められない限りは3八金が遊んでしまう可能性があります。
 高田流左玉では「右金をうまく捌くことが重要」と言われています(注:高田流左玉においては、右金を捌くことよりも角を捌くことの方が遥かに重要です)。高田流左玉のような受け主体の戦法ならば、相手の動きを見ながら流れの中で右金を中央に引きつけたり、2・3筋を盛り上げて相手の飛車を圧迫したりと、右金を活用するチャンスがあるでしょう。
 しかし、ワンダー流変則左玉の場合にはそのようなチャンスがありません。ワンダー流変則左玉の方針は『布陣が完成したら相手の玉頭に殺到』ですので、▲3八金と指したらそれっきりです:)。これで勝てるならば▲3八金型で何も問題はないのですが...実際には、こちらの攻撃後に相手から反撃を受けた時などに、自玉の薄さに泣かされることが多いように思います。
 このことを踏まえて、今回は▲3八金に固執しない方針で指した2つの棋譜を紹介します。


 要するに、流れの中で右金を使うチャンスがないならば、初めから▲5八金上と中央に活用すれば良いということです。▲3八金型と違い、2枚の金が自玉の守りについていると非常に心強いです:)。棋譜のコメントにも書きましたが、注意点は以下の2つです。
1.振り飛車側が早々に2筋の歩を伸ばしてきた場合には、▲3八金と上がります。この場合は▲5八金上と指す余地はありません。
2.それ以外の場合。例えば、振り飛車側が6・7筋に戦力を集中(▽6二飛)した場合には、▲5八金上~▲6七金右と玉頭に厚みを築く作戦が有力です。重要なのは右金を動かすタイミングで、(右辺を放棄することになるため)後手の▽2五歩~▽2六歩よりも先手の攻撃の方が早いという確証が必要になります。
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