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ワンダー流変則左玉(13) [将棋(考察:変則左玉)]

 ワンダー流変則左玉に関する考察・第13回。まずは成功例を1つ。


 今回は振り飛車側の各作戦に対する、左玉側の対応の仕方を考えてみます。

1.初めにどこに飛車を振ってくるか?
 左玉側が考えなくてはならないのは、対三間と対四間だけです。この戦法は対中飛車戦では扱いが難しいので、相手が中飛車に振ってくる場合は、私はそもそも左玉を採用しません(高田流左玉も使いません)。また、左玉側が飛車先を伸ばしていないため、相手が最初から向かい飛車に振ってくることは滅多にありません。
 さらに左玉側が先手番の場合には、後手が三間飛車に振ってくる可能性も低くなります。これは左玉側(というよりは右四間飛車側)からの早仕掛け(▲4五歩)が成立するからです(※注)。
※三間飛車対右四間飛車については、フラ盤の作者であるFireworksさんが御自身のHomepage『三間飛車のひとくちメモ』の中で非常に詳しく解説してらっしゃいます。そちらを参照してください。

 従って、現実的には振り飛車側は四間飛車に振ってくる場合がほとんどです。

2.振り飛車側の囲い方は?
 穴熊・美濃・銀冠の三種だけ考えれば良いでしょう。以前にL氏に端美濃囲い(串カツ囲い)に組まれたことがありましたが(4月13日の記事参照)、あれはレアなケースです。金無双は...使われたことってあったかなぁ:)。
 この中で一番相手にしやすい囲いは穴熊です。囲いに手数がかかるため、左玉側は十分な攻撃態勢を築けるからです。玉の退路もありませんので、直上からの集中砲火が効果を発揮しやすいです。
 次に戦いやすいのは銀冠です。8筋を争点に出来ますので、美濃から銀冠への組み替えは、左玉側にとってはありがたいです。
 厄介なのは美濃囲いです。囲いが低くて手数がかからないため、左玉側が仕掛けるまでの間に、振り飛車側にも攻撃態勢を築かれる恐れがあります。ただ、悲観することはありません。上の棋譜はこちらが仕掛ける前に美濃側に動かれた例ですが、相手の飛車さえ自由に捌かせなければ、左玉側は作戦勝ちを見込めると思います。

3.振り飛車側からの攻め筋は?
 飛車を最初に振った筋(4筋)で使うよりも、振り直す人が多いように思います。
 私が何人かの有段者にこの戦法で挑んだところ、初対戦では全員が2筋に飛車を振り直して来ました。有力に見える作戦ですが、これは左玉側が望むところです。2筋対8・9筋の攻め合いならば、相手の玉に近い場所を攻めている左玉側に分があります。
 囲いが穴熊ならば、振り飛車側には6筋に振り直す策もあります。左玉側は玉頭で戦いを起こされるのは気分が悪いですが、これに対しては右金を中央に引きつける(▲5八金上)戦い方を前回に紹介しました。金銀4枚+桂を玉頭に利かせて厚みを築ければ、左玉側は十二分に戦えます。

*****

 よーするに、普通に考えられる振り飛車側の作戦に対しては、左玉側はあらかじめ対応策を用意しているということです。では、振り飛車側はどうすれば良いのでしょうか?
 ...答えは簡単。振り飛車側も普通じゃないことをすれば良いのです:)。
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ワンダー流変則左玉(12) [将棋(考察:変則左玉)]

 ワンダー流変則左玉に関する考察・第12回。
 この戦法を扱うのは随分と久しぶりです:)。今年1月に集中的にこの戦法を扱った際に、左玉型・地下鉄飛車型・逆棒銀型等のバリエーションを紹介しましたが、見直してみると全部が▲3八金型でした。この▲3八金は高田流左玉にも共通する手で、右辺(2筋)を守るために必要な手です。反面、右辺を攻められない限りは3八金が遊んでしまう可能性があります。
 高田流左玉では「右金をうまく捌くことが重要」と言われています(注:高田流左玉においては、右金を捌くことよりも角を捌くことの方が遥かに重要です)。高田流左玉のような受け主体の戦法ならば、相手の動きを見ながら流れの中で右金を中央に引きつけたり、2・3筋を盛り上げて相手の飛車を圧迫したりと、右金を活用するチャンスがあるでしょう。
 しかし、ワンダー流変則左玉の場合にはそのようなチャンスがありません。ワンダー流変則左玉の方針は『布陣が完成したら相手の玉頭に殺到』ですので、▲3八金と指したらそれっきりです:)。これで勝てるならば▲3八金型で何も問題はないのですが...実際には、こちらの攻撃後に相手から反撃を受けた時などに、自玉の薄さに泣かされることが多いように思います。
 このことを踏まえて、今回は▲3八金に固執しない方針で指した2つの棋譜を紹介します。


 要するに、流れの中で右金を使うチャンスがないならば、初めから▲5八金上と中央に活用すれば良いということです。▲3八金型と違い、2枚の金が自玉の守りについていると非常に心強いです:)。棋譜のコメントにも書きましたが、注意点は以下の2つです。
1.振り飛車側が早々に2筋の歩を伸ばしてきた場合には、▲3八金と上がります。この場合は▲5八金上と指す余地はありません。
2.それ以外の場合。例えば、振り飛車側が6・7筋に戦力を集中(▽6二飛)した場合には、▲5八金上~▲6七金右と玉頭に厚みを築く作戦が有力です。重要なのは右金を動かすタイミングで、(右辺を放棄することになるため)後手の▽2五歩~▽2六歩よりも先手の攻撃の方が早いという確証が必要になります。
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ワンダー流変則左玉(11) [将棋(考察:変則左玉)]

 ワンダー流変則左玉に関する考察・第11回。今回は「地下鉄飛車タイプ」を試してみました。途中までは私の必勝形でしたが、終盤に指し手が乱れてまさかの逆転負け(泣)。勝っていれば快勝譜だっただけに、非常に悔しい試合でした。以下は、Yahoo!将棋での友人との対局です。


 序盤・中盤は思い通りの展開でしたが、終盤の入り口から棋力の差が露呈しました;;。感想戦で指摘を受けたのは97手目。ここは▲8二歩と打ち、以下▽同玉▲7三歩成▽同桂▲7四歩▽8一玉▲7三歩成▽同銀▲5五角▽5四銀▲7三角成▽同金▲7四歩くらいで先手が勝てたようです。▲8二歩や▲5五角は、対局中に「どのタイミングで指そうか」と悩んだ手なのですが、結局は機を逸してしまいました。116手目辺りでも、まだ先手優勢だと思いますが、攻め方を誤って逆転を許すこととなりました。
 負けはしましたが、中盤まで優位に進めることが出来たのは大きな収穫でした。大駒の働きに大きな差が生じていたことも見逃せません。この「ワンダー流変則左玉」戦法は、作戦として十分に機能するようです。
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ワンダー流変則左玉(10) [将棋(考察:変則左玉)]

 ワンダー流変則左玉に関する考察・対局編。今回は「逆棒銀タイプ」を試してみました。尚、この対局はBくん相手に練習を積む前だったため、私の指し手がかなり怪しいです(汗)。以下はYahoo!将棋での友人との対局です。


 後手が私です。29手目▲4八飛には少し驚きましたが、玉の逃げ道がなくなるので疑問手でしょうか。後手は34手目で布陣が完成。36手目▽1五歩から仕掛けました。43手目の▲6五歩、47手目の▲5八金上あたりが先手の敗着だったと思います。後手としては47手目に▲4六金とぶつけられる手が嫌でした。
 端を突き破り、72手目には先手の飛車を取って後手勝勢だと思いますが、そこからの展開がひどかったです。必勝形のはずなのに寄らない寄らない...。結局は指了図まで指して、先手の時間切れ負けとなりました。
 やはり、見様見真似で新しい戦法を使っては駄目ですね。実戦投入をするのは、ある程度の修練を積んだ後の方が無難です^^;。
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ワンダー流変則左玉(9) [将棋(考察:変則左玉)]

 ワンダー流変則左玉に関する考察・第9回。前回までで指し方の方針を学び、一応はBくんにも通用することがわかりましたので、この戦法を実戦投入してみることにしました。以下は、Yahoo!将棋での友人との対局です。


 記念すべき(?)、ワンダー流変則左玉の実戦投入1局目の棋譜です。
 序盤にいきなりミスが出てしまいました。3手目▲6六歩が疑問手です。こちらから角筋を止めてしまったために、後手に▽4四歩を突かせることが出来ませんでした。それ以外は大きな問題はなく駒組みを進めることが出来ましたが、35手目の▲4五歩は不要でしょう。この手はいつでも4筋からの開戦を見せ、後手を牽制する狙いでしたが、駒組みの完成を優先した方が良かったです。
 最も悩んだのは57手目です。▲1八歩と受けておくかどうか考えたのですが、歩を使いたくなくて、本譜の▲8九飛を選びました。これはまだ良いとしても、61手目の▲8四歩は明らかに性急でした。▲1七同香と駒を補充してから玉頭攻めを仕掛ければ、少しは違った展開になったと思います。本譜の手順は先手の無理攻めで、以降は良いところなく先手の惨敗となりました。
 ちなみに後手の方は、リハビリ対局(7)リハビリ対局(24)で相手をしてもらった方と同じ人です。この方は高田流に対する対抗策を御存知で、私が高田流左玉を使おうとすると、まともに組ませてもらえません(泣)。この点で、今回使用したワンダー流変則左玉は「駒組みの完成前に仕掛けられる恐れが少ない」とわかったことが収穫でした。
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ワンダー流変則左玉(8) [将棋(考察:変則左玉)]

 ワンダー流変則左玉に関する考察・実践編。今回は角筋を止めない三間飛車との戦いです。


 9手目で▲4八飛と指してしまったため、序盤の手順が少しおかしなことになりました(汗)。6筋の位はいつ取るべきか悩んだのですが、28手目▽6四歩で位を取れなくなってしまいました。仕方がないので、31手目▲7五歩で7筋の位を確保。銀交換から41手目▲5七銀と打ち直し、47手目▲8九飛と回って指し慣れている高田流左玉の形に。以降は通常の左玉対美濃の戦いでした。
 本譜のように後手が▽4四歩を突かない形では、相手の左銀との関係で、すんなりとは▲5六銀型に出来ないようです。右銀をどう使うかは考えておかなくてはなりません。

 次回からはいよいよ「対局編」に入ります。
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ワンダー流変則左玉(7) [将棋(考察:変則左玉)]

 ワンダー流変則左玉に関する考察・第7回。これまでは「痛快! ワンダー戦法」掲載の「右四間6筋位取り」戦法について考察してきましたが、この本を読み進めていくと似たような方針の別の戦法が載っていました。「対升田式・地下鉄飛車」という戦法です。今回はこの戦法について見てみます(後手番で扱います)。


 28手目4五歩と位を取った後、▽6二飛~▽6一飛~▽2一飛と回って左玉の構えになります。布陣の完成後に玉頭攻めを狙う点は、高田流左玉と変わりません。指了図以下、後手からは▽2六歩▲同歩▽2七歩▲同銀▽2六銀▲同銀▽2七歩という手筋があります。
 この戦法は、出だしこそ今まで扱った「右四間6筋位取り」と異なりますが、方針自体は一緒です。大きな違いは序盤に角交換が入ることですが、左玉の布陣は(完成すれば)角を打ち込まれる隙がないですから、角交換は有利に働くと思います。左玉側は手持ちの角を本譜のように4四に配置しても良いし、相手陣に隙があれば打ち込んで馬を作ることも可能でしょう。
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ワンダー流変則左玉(6) [将棋(考察:変則左玉)]

 ワンダー流変則左玉に関する考察・実践編。今回は昨日の記事で扱った「逆棒銀型」を試してみました。


 通常の「地下鉄飛車型」は飛角桂香での集中砲火ですが、この「逆棒銀型」はさらに銀が加わって端攻めの破壊力が増しています。相手の囲いが穴熊の場合には、(玉の退路がないので)特に効果的だと思います。本譜では少し逆襲を受けましたが、相手の飛車角が機能しておらず、終始先手ペースの展開でした。尚、指了図からは▽8二同玉▲8三香▽同玉▲7五桂▽7二玉▲9二飛成以下の即詰みがあります。
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高段者の奇策(2) [将棋(考察:変則左玉)]

 将棋倶楽部24にて。いつもの如く高段者の対局を観戦しようと画面を開いたら以下の局面でした。


※注:上のFlashは局面を固定してあるので動きません。
 おお...後手は左玉ですか。しかし、5筋の歩が突かれていない形ですね。どういう経緯でこの局面になったのか興味が湧いたので、少し調べてみることにしました。18手目からです。


 出だしは石田流三間飛車対右四間飛車ですが、ここからの後手の構想が面白いです。4筋の歩を突かずに▽4四角と上がり、じっと▽6一飛と引きます(30手目)。4筋の位を取っていませんが、ワンダー流変則左玉と似た布陣です。この段階では、私にはまだ後手の作戦がわからなかったのですが、36手目▽2四銀~38手目▽3三桂で狙いが明らかに。後手の狙いは「高田流逆棒銀」模様の端攻めでした。そして角銀桂を捌いた後の68手目▽2一飛で左玉の形に。この試合はこのまま後手が快勝しています。
 戦法の正式な名前はわかりませんが...雰囲気としては「右四間逆棒銀左玉」でしょうか(笑)?戦法の名前はともかく^^;、最初に右四間の構えを見せて相手を牽制し、その後に1・2筋を狙って飛車を転回する指し方はワンダー流変則左玉と共通しています。右四間飛車模様の出だしからの狙いの1つとして、覚えておくと作戦の幅が広がりそうです^^。
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ワンダー流変則左玉(5) [将棋(考察:変則左玉)]

 ワンダー流変則左玉・実践編。前回と同じく、Bくんとの一戦です。尚、序盤の展開は前局とほとんど変わらなかったため、中盤から考察します。


 前回も書きましたが、この布陣は9九の飛車が角の直射を受けるため、▲8五桂と跳ねにくい難点があります。今回は飛車を4筋に戻さずに9筋からの突破を図りましたが...55手目の▲6六角は疑問手でしょうね。ここは▲8六歩くらいで良かったと思います。対して▽7四歩なら▲6六角。▲8六歩▽7四歩の交換を入れてから角交換にすれば、後の▲6四角からの端攻めが厳しくなります。
 一方的に攻める展開ですので、指しやすい(というか、指していて楽しい(笑))のですが、攻めが切れないようにだけは留意しなくてはなりません。
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